360°AI外観検査システム「SAICLE」
SAICLEとは
外観検査システム「SAICLE(サイクル)」は、円筒形ワークに特化した外観検査機器です。解像度が高い「ラインスキャンカメラ(以下、ラインカメラ)」と、SAICLE専用に開発された「ハイブリッド照明」を組み合わせたシステムとなります。SAICLEではワークを回転させながら撮像していき、表面全体を撮像することが可能です。ドリルやロッド、ボルトやねじ類などの金属だけでなく、樹脂やゴムなどさまざまな素材に対応しています。
以下のような課題をお持ちの方におすすめなソリューションです
- 円筒形ワークの外観検査自動化は難しいと考えていた
- 目視による検査では品質にばらつきが出る
- 人手不足によって検査量を上げることができない
外観検査システム「SAICLE」の4つの特長
難しいと思われがちな円筒形ワークを正確に撮像できるSAICLEには、以下の特長があります。
- 検査箇所を精緻に撮像可能な、撮像面が大きい「ラインカメラ」を採用
- ワークの形状に合わせてブレンドされた照明を照射する「ハイブリッド照明」を搭載
- シンプルでどなたでも操作しやすく、AIによる判定で高精度な検査を実現
- 必要な機器がワンパッケージとなりシステム導入の手間がかからない
1.高解像のラインカメラでワークの表面を正確に撮像
SAICLEで採用している高解像のラインカメラは、細かいものや精密なものを撮像するのに適しています。
一般的なエリアカメラで撮影
SAICLEで撮影
ラインカメラでは、円筒形ワークを撮像すると平面の画像にすることができます。ラインカメラで円筒形ワークを回転させながら表面を1ライン撮像すると、1本の線状の画像になります。それをワークの、0度から360度まで1週分繰り返し撮像し、円筒形ワークを展開したような画像を作成できる仕組みです。
これにより高精細な画像を出力し、目視やエリアスキャンカメラでは写しづらい不良の検知が可能です。
また、通常は円筒形ワークを撮像する際に、ワークの回転とカメラのシャッタータイミングがズレると画像が伸び縮みします。SAICLEではワークの回転とシャッタータイミングを同期させ、一枚のきれいな画像にできます。
直径の異なるワークを検査する場合でも、「フォーカス自動調整機能」によって、常にワークにフォーカスした状態にできることもポイントです。
2.SAICLE専用ハイブリッド照明
ラインカメラは露光時間が短く、撮像した画像が暗くなってしまいがちです。一般的なエリアカメラ用照明の50~100倍にあたるパワーを発光できるSAICLE専用「ハイブリッド照明」を開発しました。1台で、複数の照明をワークに対して同時に当てられます。
ハイブリッド照明では、ワークの形状に合わせて照明をブレンドして、複数の照明条件を組み合わせます。単一の照明を組み合わせると照明のフレームや枠が干渉してしまい、うまく光を当てられないという課題を解消しました。単一照明では検知することが難しかった不良の検出を可能にした技術です。
「高角度照明」「同軸照明」「側方照明」の比較は、以下のとおりです。
高角度照明
- 同軸証明と比べ、平面処理された面の反射光が少ない(輝度が不十分)
- 凹凸のある部分と平面部分のコントラストが小さい
同軸照明
- きれいに平面処理された面は明るい(輝度が十分)
- 凹凸のある部分は暗く撮像される
- 凸凹と平面部分とのコントラストが大きい
側方照明
- 表面が暗く撮像される(輝度が不十分)
- 凹凸のある部分の反射光が多い
- 凹凸のある部分と平面部分のコントラストが大きい
各照明による写真のブレンド
3.検査ソフトはシンプルで高い操作性、AIによる判定で検査精度が安定
SAICLEの検査ソフトはシンプルな画面で操作性が高く、どなたでも操作しやすいところがポイントです。操作について教える手間がかからないため、教育コストの削減にも貢献できます。
また、ラインカメラで撮像した画像はAIが検査し、検査結果と不良種別が自動で表示されます。目視の検査では、判定基準が属人化しやすいという課題がありました。
検査はAIによって行われるので、判別基準が一定になり、安定した精度の検査が可能です。AIのディープラーニングによって検査精度を向上させることもできます。別途ロボットアームを導入することで、検査の自動化も可能です。
4.煩雑な検査システム導入を、ワンパッケージで簡単に
外観検査システムを一から導入するとなると、カメラや照明などは別々に準備することが一般的です。そのため、「外観検査システムの導入は非常に手間がかかるものだ」という認識を持っている方も多いのではないでしょうか。
SAICLEなら、外観検査に必要な製品が一体となってパッケージ化されています。時間や手間がかかることが懸念されていた、カメラや照明などを別々に用意する手間がかからず、外観検査システムを簡単に導入できます。
円筒形の外観検査はSAICLEにお任せください
外観検査システムSAICLEでは、さまざまな円筒形ワークの外観検査が可能です。「円筒形ワークの外観検査自動化は難しいと考えていた」「目視による検査では品質にばらつきが出る」「人手不足によって検査量を上げることができない」など、円筒形の外観検査が抱えていた課題を解消します。
また、ロボットアーム導入などによる生産ラインの完全自動化や、「ワークの複数面を同時に撮像・検査したい」といったカスタマイズにも対応しており、貴社の生産性向上や品質向上に貢献します。
現場に直接伺い、貴社の状況や課題を把握したうえで最適なご提案をさせていただきます。お気軽にご相談ください。